『静佳キッチン』は建物の外部に造りました。
ですから、とても眺めがいいんです。海がすぐそこに見えます。静佳キッチンに置いてあるグラス類は使ったら自身で洗ってもらっています。それは、このキッチンのシンクに立って欲しいからです。洗い物をしながら海を眺める・・・たったこれだけの、ほんの一瞬の時間ですが、その一瞬の時間が私はとても気に入っています。何とも言えない清々しい気分になります。
その『一瞬』を皆さんにも味わって頂きたくて・・・・。
建物を造る際、キッチンの背後にある柱に棚を作ってもらいました。コの字にコンクリートをへっこまして・・。調味料を並べるつもりでしたが、今は調理をしないので小物を飾っています。
まだ手付かずでしたが、このスペースを変身させるアイデアを思案中です。あーでもない、こーでもないと考えている時が楽しいですね。
静佳と言えば、ポークランチョンミートの入り口に作った看板に「静佳ビーチ」と書いてあります。それを見た通行人のお姉さんの反応が凄かったんです。なんだろう?と思っていると、戻って来た時にその訳が分かりました。
「私の名前、しずかっていうんです」とお姉さん。「だから嬉しくなっちゃって」
「私もしずかです」すかさず答えると、妙な親近感。「しずか繋がりで宜しくお願いします!!しずかさん!!」「こちらこそ!しずかさん!!」一瞬だけだけれど仲良しになりました。
それでは、ポークランチョンミートの「海と空を眺めるダイニング HELL’S KITCHEN(ヘルズキッチン)」のお食事のご案内です。
朝食の一例です。
夕食の一例です。
目の前に広がる景色を愉しめるテラスのカウンター席でお召し上がりください。
夕日に向かって飛ぶ飛行機。この飛行機に乗っている人は最高だろうな~~と思いながらいつも眺めています。
静佳日記 **********
昨日は日曜日。いつものように、朝から沢山の人が宿の周りに遊びに来ていた。
朝食を食べていると、観光の家族連れが桟橋で釣りをしているのが見える。
お、釣れたかな?と思ったら、どうやら珊瑚に引っ掛かったようだ。それなのに、子供に竿を持たせ、さも、あたりがあったかのように記念撮影をするお母さん。
撮影が終わると、再びお父さんが珊瑚と格闘。
見ていた夫が言った。
「お母さんの出番じゃないか?」
私にしかわからないそのセリフ。何故なら、針が引っかかるといつも私は潜って取ってくるから。でも、普通のお母さんはそんなことしないよね。
朝食の時間はいつもリアルタイムのドラマが目の前で繰り広げられている。テレビを見るより楽しい。
だが、ゆっくりしてばかりもいられない。そして、遊び惚けてばかりもいられない。そろそろ、シーズンオフの「お仕事」に取り掛からなければ。
ちょうど暑い日だったので、テラスの天井のガラスを掃除することにした。何故暑い日か?体中水浸しになるからだ。
秘密兵器の高圧洗浄機を持ち、ゴーストバスターズ気取りでステップを踏む夫。最初はガラスだけのつもりが、あまりにも奇麗になるので気が付くと宿の周りの道路まで洗浄を始める。すっかり綺麗になった。この日が口火となり、宿全体のメンテナンスがこれから始まる。毎年、この時期に二人で行うメンテナンスによって、建物への愛着が増す。手がかかる子ほど可愛いというけれど、本当に手間がかかればかかるほど、ポークランチョンミートが愛おしくなる。農家の人のそれと、きっと同じなんだろうな。
一仕事を終えた後、テラスのタイルのベンチに並んで腰を掛け、アイスコーヒーを飲みながら仕事の出来栄えを眺めた。
うん。いいね。青空が奇麗に見える。
隣の公園は子供を連れた家族で賑わっていた。サービス精神旺盛な夫が、スピーカーから「め組のひと」のボリュームを上げて流す。ノリのいいお父さんがステップを踏んでくれた。いいねいいね。楽しんで~~~!!同じく、公園のベンチでお酒を楽しんでいたおじさん達が近寄って来て「ここはお酒を飲ませてくれるところかあ~?」と聞いてきた。宿ですと答えると、「そうか。素敵な音楽が聞こえてきたからさ~」と笑った。
そうこうしているうちに、低い位置にいた太陽が雲から丸出しになり、海面を眩しく光らせた。この瞬間はいつも短い。出くわすのはラッキーだ。
桟橋では魚を見つけた子供がはしゃいでいる。
ダイビング船も帰ってくる時間。横から太陽の光を受け、颯爽と入港してくる船が妙にかっこよく見えた。
暫くのんびりと過ごしたので、買い物へ出ることにした。
途中で「16日,17日,19日 休みます」の張り紙を見つけた。18日は???
買い物が終わって店から出ると、日が暮れ始めていた。凄く綺麗な空だけれど、街中ではよく見えない。急いで帰らなきゃ!!
いつもの定位置にギリギリ間に合った。やっぱりここから見る空が好き。
ゆっくりできたから、明日からまたメンテナンスを頑張れそうだ。