この小さな実はシマヤマヒハツといいます。与那国島以南、台湾からフィリピンが原種のようです。沖縄特有の植物らしいので、果実酒を作ってみることにしました。泡盛と焼酎の2種類で。
これに端を発して、急に私は「ナチュラリスト」に目覚めてしまったのです。今まで、全く興味がなかったのに、人間は趣向が変わるもんですね。
今が旬のローゼルでジャムを作ろうなんて、今までの私からは想像もできません。
お客さんがいないことをいいことに、「静佳キッチン」を独り占め!!これが一番うれしかった!!久しぶりにここを利用します。海を眺めるオープンエアーのキッチンは私の憧れでした。夢が実現したのに、宿という性質上、ここを利用する日は殆どなく・・・・・。だから、この日は思う存分ここに立って、気分アゲアゲでジャムを作りました。
調子に乗って、レモン酒も漬けました。
あ~~~~あ、楽しかった。
出来栄えは上々。レモンサワーは特にハマってしまいました。
メニューにも入っていますので、是非、お試しくださいね~~。
宮古の自然の恵みアレンジはそこからますます進んでいきましたが、失敗も多々あります。
ハイビスカスでピンク色のごはんを炊こう!!なんて突拍子もないことを思いついたある日。なんでもやってみないと気が済まない性格なのでいざ!!
結果は、なんと、死人色のご飯が炊けてしまいました。(写真の左がそう)
バタフライピーという食べられるお花も「しずかだん」にて栽培しているのですが、ある日、ドライフラワーにして保存したらどうかしら?なんて思いついちゃって、こんな有様です。
これはもう、改良の余地もありませんね。毎日新しく咲くので、ドライフラワーにしようなんてもう、思わないことにしました。今は種が生るのを毎日すごく楽しみにしています。毎日見ていてもさほど変わらないのですが、さやえんどうのような種の袋が緑色に出来ている最中です。全く興味を示さなかった夫もこれにはびっくり。朝食の時に二人で「しずかだん」を眺めては植物たちの成長に驚かされながら楽しんでいます。
あ、念のため言っておくと、ナチュラリストに興味が沸いただけで、ナチュラリストになったわけではありません。やっぱり身体によくないものは美味しいです。(特にバター!!!お酒!!)
さてさて、それではポークランチョンミートの料理のレパートリーのご紹介です。料理担当は夫です。私と違って正統派。真面目にコツコツと料理の仕事を永年してきました。なのでメチャメチャ几帳面です。(料理だけは)
中華、洋食、イタリアン、韓国料理・・・・とどんなジャンルの料理も作ります。
お天気がいい日はテラス席にてお召し上がりください。空と海がそこにあるだけでもう、贅沢です。
なんでも作ると言っても、お寿司にだけは手を出さなかった夫ですが、先日「穴子」を見つけたので夕飯に作ってもらいました。「なんちゃって握り」ちょっとネタが小さ過ぎましたね。ケチらないでもっと穴子をいっぱい買えばよかった。でも、私達は穴子が大好きなので大満足!!の夜でした。鶏のフリッターと素うどんと一緒に・・・。
静佳日記 *********
台湾料理のお店があるよ。
宮古に引っ越してきた当時から何となく聞いていたし、看板も見たことがある。行ったことがあるよという友人も、まあ美味しいと言っていたので、入ってみたいと思いながらも、月日が流れてしまっていた。
その日、ふと、思い出した時に行こう!!と思いつき、買い物途中で夫に提案してみるとすぐにOKの返事。営業しているかどうかだけ確認しておけというので電話をかけた。宮古は不定休のところが多いので、確認は必須だ。
呼び出し音がさほど続かずにお姉さんが出た。
「あの~~。今日は営業していますか?ランチなんですけど」
「やっていますけど・・・。」
やっているけど何だろう??細かい会話はよく覚えていないが、なんだか普通ではないちぐはぐな会話だったことだけは覚えている。ちょっと大丈夫かなあと思いながらも、二人で12時半ごろに行きますと告げた。初めてお邪魔するんですけれど・・・と付け加えて。初めて行くのだから初対面だということは明らかなのに、「何か食べたいものはある?」と聞かれた。え?そんなにアバウトなの?メニューはないの?今日は暇だから何も用意していないからこれから用意をするよ、という意味なのか?
様々な可能性と疑問符が頭をよぎった。
電話を切ると、夫が聞いてきた。
「宮古の人だった?」
「いや、このアットホームさは宮古っぽいけど、会話がうまく通じないのは台湾の人だからかなぁ?」
「宮古の人だって通じないじゃん」宮古の人の夫が言った。
こうしてともかく店に向かったのだが、もうなんだか期待が膨らみすぎてはち切れそうだっった。どんなお店なんだろう?何が出てくるのかな?ワクワクし過ぎて、道中、歌を歌いまくったのを覚えている。
ついに到着した。以前、下見をしたことがあるので場所は間違いない。
へえ~~~~。外にこんなテーブルもあるんだね。テンションが上がっているので写真も撮りまくっていた。
入り口から中へ入ると、驚く光景が目に飛び込んできた。がらんとした店内には洋服やら雑貨やらが飾ってある。
「あれ?」
まるでテレビのどっきりグランプリに出演した芸能人の、その瞬間の顔のようだったに違いない、上がっていたテンションが急停車した私に夫が言った。
「奥の部屋なんじゃないか?」
ウロウロしていると、電話に出たであろうお姉さんが登場。
「あの~~さっき電話して予約をした上地ですが、奥の部屋ですか?」
そこからの細かいやり取りは、あまりのショックで記憶力をも奪われてしまったようで覚えていない。
要するに、そこは「台湾の食べもの屋さん」ではなく、「台湾の雑貨屋さん」だった。「台湾屋」という看板が誤解を招き、食べに行ったことがあるという友人はきっと口から出まかせを吐いたのであろう。電話番号を調べた時は「食べログ」の画面だと私が勘違いをした。まるで巧妙な詐欺に引っかかったかのような脱力感。勝手に頭に思い描いてよだれを飲み込んでいた小籠包はもういない。
それにしてもだ。数々のからくりは解けたが、どうしてもわからないのは、何故、あの電話で彼女は私に聞いたのだろう。
「何か食べたいものはあるか?」
と。