Monthly Archives: 2月 2022

縁結び

私は、空と海を眺めるのが大好きです。どうしてこんなにも水辺が好きなのかしら?と考えた時もあります。やっぱり赤ちゃんの時に羊水の中にいたから?なんて真剣に思っていました。

念願かなって今、水辺に住んでいます。しかも最も嬉しい、ビーチの隣りという最上級の場所です。

テラスは私達の憩いの場所です。朝ごはんやお昼ごはん、そして晩酌・・・・と様々な場面でここにいます。一番心が豊かになれる場所だから。お客さんと仲良くなるのもこの場所からです。コロナ禍になってからお泊りのお客さんがいなくて淋しいですが、何でもポジティブに捉えるのが私の特技!!この場所をいつもよりもたっくさん活用できてそれはそれで幸せです。事務仕事もここでやっちゃいます!!誰もいないから~~~!!

なんといってもいつでも最上級の景色が日々のご褒美のように降り注ぎます。

目の前は桟橋です。海の手前に雨後の水たまりができていて、そこも海面のように見えます。海が一個増えたみたいです。笑 夕焼けの力はすごいです。なんでも魔法のように美しく魅せてしまいます。

毎日新しい発見があるこの場所にいる時間が一番好きです。

景色を眺めながらのごはんは特に美味しく感じられます。

宿泊のお客様はご予約を頂ければお食事をここでお召し上がりいただけます。勿論、夜は民謡ライブのお店で夕食を食べたい!という方もいらっしゃるでしょうから、そんな日は帰ってきてからドリンクのオーダーだけでもご利用頂けます。ご希望とあらば、一緒に乾杯も大歓迎です。先日誕生日を迎えた私。なぜか誕生祝はいつもシャンパンや日本酒を頂きます。やはりお酒のみのイメージが強いのでしょうか。

事務仕事をしながらえ~~いもう飲んじゃえ~~~~!!てな日も多々あります。運転と違って私の仕事は飲んでも法律に反しませんから。そういえば、フランス人ってランチタイムにみんなワインを飲んでいたなぁ。その後も仕事なのにね。そんな国民性、嫌いじゃないです。余談ですが・・・。

一人でシャンパンを開けた時、まるで奇跡のようなことが起きました。

あれ?何の模様かな?といつもは見ないのに何気なく見たコルク栓。

自分の指の形と全く同じ絵が・・・・・・・え~~~~~~~??(洒落ではありません)

こんなことで喜んじゃってる私はきっと幸せです。はい。

奇跡と言えば、夫の作った最新のとんこつ醤油スープ、名付けて「とんこつ醤油が宮古そばに恋をした」の試食をしていた時のことです。

余談ですが、このネーミングには意味があります。ただふざけているわけではないんですよ~~。(いつもふざけていますが・・)宮古そばの生麵を初めて夫が試食した時に、「とんこつスープでこのそばを食べたい!!!」と直感で思ったそうです。そこから長いとんこつとの闘いが始まったんですね。まさにのめり込んだと言っても良いでしょう。というわけで、宮古そばで育った夫はこの年になって改めて宮古そばにある意味恋をしてしまったんですね。自分で納得のいくスープができたので商品化しました。が、料理に恋する気持ちには終着点というものがないようです。まだまだより一層の美味しさを追及していくそうです。思う存分やってもらいましょうか。

余談が長くなってしまいましたが、その奇跡とは・・・・・・?

麺が結ばれておりました~~~~!!

四葉のクローバーを見つけたのに匹敵するくらいのリアクションを取ってしまった私。これは幸せを呼びませんが、ご縁が結ばれるかなあ?

静佳日記 **************

少し観光気分で出かけたある日。

一年中夏を感じられるハイビスカス。

色がついている葉が多く、花でなくとも楽しめる。

吸い込まれるように見とれてしまった植物は、北野武監督の映画を連想してしまう独特な雰囲気を醸し出していた。

そこから先へ進み、まだ2回くらいしか来たことがなかった展望台へと向かう。

眺めは大体想像できるのだが、なんだか久し振りすぎてワクワクしてしまう。いくつもの窓からそれぞれに美しい景色がのぞいていた。

曇り空の日にこの眺め!!

せっかくなので、階段を登って一番上まで。色々な壁画が思いのほか上手。

ただこれだけのドライブだったけれど、「なんだか新鮮だね」と夫も歩き回って探検していた。

宮古島探険隊にまだまだ終わりはない。

16日祭

宮古ではあの世の正月を16日祭と呼んでご先祖をお迎えします。旧暦の16日なのでややこしくいまだにそのシステムを理解していません。ついこの間旧正月が済んだばかりなのに、また旧正月???みたいな。(毎回この時期になるとその話題を出していますが・・・)毎年16日祭は何日になるのか変わります。だから初めて宮古に住んだ2,3年はみんなが何を言っているのかよくわからず・・・・。いったいいつが16日なの~~~!!!!となっていたもんで、今年は16日祭は16日だよ~~と言われてもにわかにそれを信じ切れず、またまた~~16日って言って16日じゃあないんでしょう~~?となっていた私です。笑(内地の皆さんには何を言っているのかわかりませんよね💦)

ともかく、今年は16日祭のぎりぎりにお墓掃除に行ってまいりました。去年の掃除のときにあまりにも疲れたため、そのまま来年のためにと、道具を沢山新調しておいたのですが、いざ、お墓まで行くと、お隣りさんが電動の草刈り機を持ってきていて、あっという間に通路が綺麗になってしまいました。

持参した新品の道具は新品のままで・・・・。かこっつけて構えたのは掃除の後。

それでもだいぶ働いたので、へとへとに。

打ち上げは中華屋さんにて・・・

中華と言えば、ポークランチョンミートのHELL’S KITCHEN(ヘルズキッチン)では只今ランチタイムを続行中です。

観光が戻って宿泊のお客様が元に戻るまで・・・・と始めたランチですが、相変らずただの一人も泊まりに来てくれず・・。ところが、ずっと飲食を生業としてきた私達にとって、このランチはあまりにも楽しくなってしまい、もう辞めれないかもしれない!!となっています。やっぱり飲食店は天職のような気がします。(じゃあ、何故宿を始めたの????の答えは長くなるので直に聞いてくださいっ)宿泊が戻った時にどう両立していくか、思案中。

ランチは夫が今ハマっている『鶏白湯宮古そば』を専門にやらせていただいております。

昔から様々なラーメンを作っては店で出しておりましたが、今回の鶏白湯は本人の中ではかなりお気に入りのようです。試行錯誤をしながら少しづつレシピを変えたり、違うスープを作ったりと日々研究し続けているので、この数か月の間、私達はラーメン(そば)の試食を欠かしたことがありません。毎日必ず一食は食べています。勿論、店で提供している鶏白湯も毎日試食します。味がぶれるといけないので・・・。

いやあ~~~~~こんなに毎日食していて飽きないのが不思議です。ラーメンフリークの皆様の気持ちが少しわかった気がします。

鶏白湯宮古そば専門のランチでも変化を愉しんで頂くため、セットメニューは色々と変えてご提供するようにしています。夫は永いこと料理の仕事をしているので、それなりにレパートリーを持っています。もう終わってしまいましたが、お陰様でミニエビチリ丼は好評でした。

エビチリ定食を前もってご予約されるお客様も・・・・・!!??これは豪華な定食でした。

夫がディルを見つけてきた時は

ミニタコ飯もやりました。

タコの炊き込みご飯ですが、ディルの風味がないと美味しさが全然違っちゃうんです。

今の新作は『ミニスタミナ丼』です。ニンニクとバターの香りが効いた豚バラ肉の丼ですが、くせになる味です。

是非お試しください。

お子様用の食器も揃えておりますので、是非ご家族でも、また、お一人様でもお気軽にいらして下さい。

それは宿の時と一緒!!(笑)

コロナのこともあり、主にテラス席をご利用頂いておりますが、このように悪天候の日は中のお席でどうぞ。

あ、これも宿の時と一緒ですね。

最近、雨の日が続いておりますが、雨は嫌なことばかりではないですよ~~。

冬なのに、雨上がりの虹が見えた日もありました。

まあ、なんにせよ、これからも楽しく続けていきますので、宿同様、1階の『HELL’S KITCHEN(ヘルズキッチン)』もどうぞ宜しくお願い致します。

静佳日記*********

休日の過ごし方は人によって様々だ。

私達の場合、休日でも仕事をすることが多い。「時間がある時にこれだけやっとかないとね」てな感じで。

日本人(ひと昔前の)特有の仕事人間。ずっとそうやって生きてきた。だけれども、遊びの時間を作るのもそれと同じくらい長けていると思う。少しの時間でもあれば何か楽しいことを!!と考える。

その日は「海でランチ」がテーマだった。

東京は迷うほどに出かけるところが多いが、島では海しかない。まあ、その海さえあればいいと思って引っ越してきたわけだが・・・・・。その唯一の遊び場へお昼ご飯を食べに行くという贅沢な遊び。まぁ、東京でハマっていたキャンプも、わざわざ自然の中へ酒を呑みに行く遊びだった。

島中どこへ行ってもそう遠くない。この特権に加え、更にどこの海へ行っても究極に美しい海しかないという最上級の特権が付いてくるから幸せだ。

その日思いついたビーチへと向かった。ビーチへの入り口はできるだけドラマティックなほうがいい。

どうせなら普段行かない小島へと足を延ばそう。

島特有のゴツゴツした岩の間にはたくさんの割れ目があり、そこを覗くと透明度抜群のホールが見える。

誰が置いたのかシーサーの置き物の先には・・・

目にも鮮やかな青と白の世界が広がっていた。

もう、どこの国にいるのかわからなくなる。

この景色を眺めながらお昼ご飯を食べるためにここへ来た。夫が作ってくれた中華挽肉丼。勿論、ビールは当然。

食べたら帰る。

ほんの一瞬の贅沢な時間は何物にも代えがたい。一瞬の歓びの為に「わざわざ手間をかける」ことが大好きな私達。これを味わったら、「手間を省く」ことがなんと味気ないことかと思えてくる。便利な時代に生きていても、大切にしたいことは見失わないでいきたいと思う。

大いなる空。

ここのところ、自主的ペンキ職人を続けている私は充実した日々を送っております。ランチの前にちょっとづつちょっとづつ、テラスの鉄骨部分のペンキを塗りなおしているのですが、毎年のことなので、だんだん手際が良くなっていくのが自分でわかります。大したことではないと思われるでしょうが、私にとってはどんなことでも創意工夫をするのが楽しくて仕方がないんです。失敗と工夫の繰り返し。失敗がなければ、向上心は生まれません。後戻りしてしまうこともありますが、それもいい経験です。そして、何事も楽しんでやることをモーットーにしています。気分が乗らない時に大仕事はしません。いい仕事ができませんから・・・。まあ、それもこれも自営だからこその特権ですね。この20年くらい、人に言われてやった仕事は一つもありませんから。笑。これだけでももう十分幸せなことです。自営のいいところは自分のさじ加減でできること。但し、気を抜いたらどこまでも手を抜いてしまうという落とし穴があるので、いつでも向上心を忘れないようにしています。

ランチを始めてからも様々な創意工夫をしてきましたが、一番の自信作が『トレンチ掛け』です。その辺にある材料でぱぱっと作ったので見た目は悪いのですが、恐ろしく機能的です。大きさの違う3枚のトレンチ(お盆)のどれを取る時も、どれを仕舞う時も非の打ち所がない。これを毎日使っていて、自画自賛をすることが日課になっています。

さて、夫はと言いますと、彼は彼で『料理部門』で創意工夫を続けております。

その中でも特に毎日研究を繰り返してきたパン作り。生食パンは少しづつですがファンの方も増えてきました。

トーストしても美味しいです。

サンドイッチも色々と作ります。

トーストサンドも美味。私はハムサンドにメチャメチャどハマりしました。

数日前にご予約いただければ、サンドイッチのオードブルなども可能です。結婚式のパーティー等々、もしご希望があればご相談ください。たまにテイクアウトでサンドイッチ等も提供しています。※Instagram(plm385)をご参照下さい※

また、宿泊のお客様には朝食にてお出ししております。

これからもきっと私達の創意工夫は続いていくことでしょう。10年後、20年後には今のそれがきっと役に立っているはずです。20年前、30年前の経験が今、役に立っているのと同じように・・・。

現代は情報が簡単に手に入る時代ですが、誰が何といおいうと、私は思います。

経験に勝るものはない!!

と。良いことも悪いことも、沢山経験してふくよかな人生を送りたいものです。

静佳日記 *************

健康のためと、心の栄養補給のために続けている朝のウオーキング。いつの間にか「ダイエットのため」という理由は消えてなくなった。効果が全くないということに何年もかけてやっと気が付いたから・・・。

その日の朝は予定がびっしりだったのであまり時間がなく、少しだけビーチからその先の遊歩道を歩いて帰ろうという計画で、夜明け前の暗い空の下外へ出た。・・・のはずだった。なのに何故??東の空が明るいではないか!!

どういうこと?

久し振りの朝焼けに、すっかり度肝を抜かれてしまう。とりあえずビーチへ降りて空を見てみよう。

なんということでしょう~~~~~~~~~~!!!(このフレーズはもう何万回も使っている)

暗闇の空を押しのける勢いの太陽のパワーに導かれ、ぎっしり詰め込んだ予定はもう、どうでもよくなった。

きっと今日の日の出はすごいことになるに決まっている。

そう予感して、朝日を拝むいつもの場所へと進むことにした。

近づくにつれ、途中の空はワクワク感を盛り上げるには十分過ぎた。

心臓を患っている私は心拍には常に敏感になっている。このワクワク感のドキドキと坂を昇るバクバクで「私の心臓持つかな?」とちょっと心配になったが、期待感はそれを上回り、先へと進むことを抑えることができなかった。

高台へ着くと、桃色に広がる空が消え、集中的に一点が朱くなったところだった。

さあ、いよいよ太陽のお出ましか。

と期待に胸が爆発しそうになった頃、太陽は雲に負けてしまった。

こんなことはよくあることで、ものごとは殆どが思い通りにはいかないものだ。それをガッカリとうなだれるのか、視点を変えるのかで、日々の楽しさは随分と変わってくる。世の中は自分の力ではどうにもできないことだらけ。私は自分の力ではどうにもできないことは、なるべく気にしないことにしている。ガッカリしたり、怒りを覚えることの方が私には大きなマイナスだから・・・。こういう時はすぐに気持ちを切り替える。素晴らしい空を期待してワクワクしながら歩いたこと自体がその朝の一番のいいことだったのだ。

『結果』は一瞬だけれど、『過程』は長い。それならば結果よりも過程を重視した方がいい。

そして、その朝の太陽は、高く昇ってからようやく少しだけ顔を出し、

諦めて帰路に着いた時振り返ると、ようやく丸く輝いた。まるで私が振り返るのを待っていたかのように・・・。

天職。

ポークランチョンミートの『 HELL’S KITCHEN(ヘルズキッチン)』では、夫が一人で料理を作っています。

どんなジャンルの料理ですか?とよく尋ねられるのですが、ジャンルは特にありません。凝り性の夫は気にいるとなんでもハマる性格なんです。15歳からずっと飲食の仕事をしてきました。ですから、自然と料理の幅も増えてきたのだと思います。日本人が好きなメジャーな料理は特にのめり込むことが多かったです。

お好み焼きにハマっていた時期もありました。ですから彼が作る生地は本当に美味しくて家族の間でも大人気。ハマったきっかけは今まで食べたことがないくらい美味しかったお好み焼き屋さんに行ったこと。ただそれだけです。

あ、美味しい焼き鳥屋さんと出会ってしまったのは19歳の頃でした。それがきっかけで『焼き鳥』にも随分とながいこと熱をあげました。四六時中、「焼き鳥愛」が止むことはなかったですね。

トマトソースも随分とハマりました。

何故だか時間と手間暇をかける料理が特に好みの様で、パンチェッタも1週間かけて作ります。

そのせいで家族の食事を作る時間が無くなります。「今日は自分たちで勝手に巻いて食べなさい」と手巻き寿司の夕飯。それはそれで嬉しいんだけれど・・・。

もともとは中華料理屋からスタートした彼の料理人生。お金もなくてひもじかった食べ盛りの10代の頃、唯一任された「賄い」でチャーハンを作るのが楽しみだったそうです。何故って?チャーハンはチャーシューをいくら使ってもいいからです。肉が食べたかった彼には超超超ごちそうでした。今でもチャーハンは彼にとって特別なものです。夢が叶って東京で持った自分の店でも勿論メニューに入れていました。

中華と言えば、四川麻婆豆腐もかなりのめり込んだ時期がありました。

餃子も然り。居酒屋の厨房なのに、餃子専門店の調理道具は全て揃えていたくらいです。処分しないで持ってくればよかったな。鉄鍋だけは大事に宮古まで運びましたが・・・。とにかく、中華は作るのが好きで、今でも当時の先輩たちの手のさばき方や厨房の匂いを覚えているそうです。今と違って仕事は見て覚えろの時代ですから。

今ランチで提供している鶏白湯宮古そばも、そんな彼のしつこさがにじみ出ています。もともとは宮古そばの生麺をとんこつスープで食べてもらいたい、から始まったのですが、まあ、何しろ島では知名度のないポークランチョンミートです。それほどお客さんは来ません。意外にも鶏白湯スープの方が女性に人気で、とんこつは二番手になってしまいました。それでも彼の異常な試作品作りは止まりません。今に始まったことではないのですが、「もっともっともっと!!美味しいものを!!」にいつも取り衝かれちゃうんですね。ラーメンは東京時代から随分と研究してきましたが、見事にその熱が復活してしまったようです。今はあっさり系のスープへの愛が深まりつつあります。完成したらランチに登場しますのでお楽しみに~~。

そんな中でも、やっぱり一番好きなのは「北海道みそラーメン」のようです。彼の好みの味噌ラーメンはもう出来上がっていますので、召しあがりたい方はこっそり前もってご連絡をくださいね~~。

私はそんな夫を見ていていつも羨ましく思っています。彼が選んだ仕事は一生をかけても終着点がありません。次から次へと湧き上がる「意欲」は彼を生き生きと輝かせているようにさえ見えます。

これからも、この「意欲」という火を消さないでいられるよう、内助の功で私は試食を続けていきたいと思いま~~~す!!エヘッ。

静佳日記 **************

その日は夫のほうから言い出した。

忙しくしている私を見て、気の毒に思ったのだろう。いや、火山が爆発するのを恐れたという方が正しいか。とにかく、「海へ行こうか」という魔法の言葉が彼の口から飛び出した。この魔法の言葉は、もしかしたら「綺麗だね」という女性が喜ぶ最上級の誉め言葉よりも私を喜ばすのには効果的かもしれない。

「やったーーーーーー!!!」

その瞬間から頭の中はもうどこの海にするかで忙しいのはいつものこと。永年の「あ・うん」の呼吸でこの誘いを私が断るはずがないと踏んだのか、もう、夫は準備を始めていた。

「とにかくあっちの方にしよう!!」

と、風を見てなんとなく決めて出発。アウトドア遊びの歴は長く、準備は手慣れたもの。というか、すでにいつでも用意されているといった感じだ。思い立ったらすぐに海。こんな生活にあこがれ続けた私にとってこの島はパラダイス。とにかくどこへ行っても自然を満喫できる環境は心にも優しい。

風は見たが潮を見忘れていたため、最初に向かったビーチは泳げなかった。

次に向かったのは物凄く久し振りのビーチ。ワクワクする。

到着すると、空を飛行機が通過した。飛行機が近いのも島のいいところ。

宮古の海の中はどこもかしこもお花畑。そして、当り前だが島の人口よりはるかに多い魚達。お花畑に住んでいる。

キノコのような珊瑚。

小魚は群れを成す。雑魚はとかく大勢でつるむのと一緒。一人の力に自信がないから。

クマノミはイソギンチャクで守られている。だから彼らはそこから離れない。

食事の用意をしているお母さん、じゃなかった夫が岸辺で待っていた。

「今日のごはんはジンギスカンだよ~~」お母さんが得意気に言った。

なんと塩にぎりまで用意されていた。

こんな最高なお昼ごはんがあっていいものだろうか。目の前の海を眩しく見つめながら思った。

「あとはこれが本物のビールだったらパーフェクトだったね」

医者にとめられているため苦肉の策のノンアルコールビールをプッシュっと開ける。

『幸せは人に与えてもらうものではない』

大昔に職場で聞いたフランス人の言葉を最近よく思い出す。自分が幸せだと思える時間を自分で持つことが大切なのだと解釈している。幸せは自分で手に入れるもの、そして人に押し付けてもいけない。

そしてそう思える時間を増やしていくことがいい人生の過ごし方だと私は思っている。