Daily Archives: 2019年9月2日

お帰りなさい!!!!

昨年の夏、二人旅だったお母さんと娘さんは今年の夏は約束通りお父さんも連れてきてくれました。彼女のお陰で手品にハマってしまった夫は1年間ずーーーっと手品の練習をしてきたのですが、いざ本番となるとうまくいかず・・・。

いい意味で想像と違っていたお父さんとは、とても楽しい大人の時間をご一緒できました。海での遊びも充実していて、寝る時間も惜しんで沢山遊びましたね。(大人も子供も!!)また、来年もご家族3人で是非、お待ちしております。

それでは、ポークランチョンミートの「海と空を眺めるダイニング HELL’S KITCHEN(ヘルズキッチン)」のお食事のご紹介です。

朝食の一例です。

夕食の一例です。

お食事は、宿泊者限定・完全予約制・完全お任せメニューです。連泊の方は毎日メニューが変わります。宿泊予約時にお申し込みください。

テラスのカウンター席にて、素晴らしい景色を堪能しながらお召し上がりくださいね。

静佳日記 ********

前回の続き・・・・

無表情くんがその顔の筋肉を初めて使ったのは、私の心臓がバクバク!!ドクドク!!ドックんこ!!と急に大きく動き出した時だった。その心臓の振動で横たわっている自身の体全体が大きく上下しているように感じるほどだった。初めて顔の筋肉を力いっぱい使ってニコリとした無表情くんが口を開く。「よっしゃ!!来た~~~~~~!!」どうやら脈が通常の速さに近づいていったようだった。薬が効かない遅い脈を、なんとか次の方法で対処しようと考えていたちょうどその時だったようだ。そこから色々な先生が顔をのぞき込んで話しかけてきたが、みんな初対面の人ばかり。暫くして「上地さん」と声をかけてきたのは、初診から様々な検査に廻してくれた内科の若い先生。電話で何度も何度も「何かあったらすぐに来てくださいよ。」と言っていたあの彼だ。「あ!!先生・・・・失神しちゃいました・・・」それだけ伝えると、先生のすまなそうな顔を見て、初めて涙が出そうになった。知った顔を見て安心したというより、彼の顔が「早く病気を見つけてあげられなくてごめんね」と言っているように見えたからの方が強かったと思う。彼は小さく「頑張って下さい」とだけ言うと他に何も言わずに暫くそこに立っていた。

カーテン越しの隣のベッドでは救急で運ばれた男の声。「警察には言ってもいいけど家族には言うなよ」酒を飲んで殴られたらしい。まだ酔っぱらっているらしく、子供のようなことばかり言っている。何故だかそのくだらなさで少し心が落ち着いた。

その後、失神した際にひっくり返って頭を打ったと思われたため(たんこぶはおでこにできていたが)、頭のCTを撮り、最終的にICUへと運ばれた。その間ずっと天井を見上げていた私は、病院の設備のいかにうまくできているかに感心していた。そこにあったほうがいいものが全てそこにある。そんな感じだった。こんな時にまで建物の内装の使い勝手に興味がある私はちょっとおかしい。のかな?

病気の説明と、身体に埋め込む生命を維持するための精密機器の解説を聞く間も、なんだか他人事のようだった。翌日に行う予定だった手術は熱が出たため延期になった。その間私は沢山の血液検査、ウイルス検査、薬の投与、点滴・・・・と、腕のありとあらゆるところに針を刺され、もう刺すところがなくなると、手の甲にも刺された。今、おまわりさんに職務質問をされたらきっと麻薬患者と間違われるに違いないとくだらないことを考えていると、「尿検査をしますね」と言われ笑いそうになった。体から沢山の管が機械へと繋がれ、24時間の監視下に横たわっているのはとてもつらいことだった。トイレも自分で行くことはできない。何気ない日常生活のなんと素晴らしいことかを実感せざるを得なかった。

そして、いよいよ手術の日。手術さえすれば楽になる・・・そう信じていた私は意外にも緊張や不安はなかった。付き添ってくれていた夫にも「これが会う最後になるかもよ~!」と、軽い冗談を言えるくらいだった。

そして、手術室へ。

テレビで見たことがある手術室を想像していた私は、中へ入った途端に固まった。

だだっ広く、黒い壁のその部屋は、手術室というよりは宇宙ステーションのよう。様々な最新(らしい)の機械が揃えられ、未来映画に出てくるようないくつものコンピューターの画面がビヨ~~~ンと天井から伸びている。透明の四角いガラスは手術台に向き、きっとここに何かが映し出されるに違いない。

そう。そこはアイアンマンの技術室か、CIAの指令本部のようだった。そして20人ほど(?)のスタッフ。もうだめだ。一気に緊張した。心臓が爆発しそうだった。「先生!!ちょっと無理です!!」もう少しでそう言いそうになった。

圧倒されるとはこういうことを言うのだろう。

だが、そんなわがままも言えぬまま、それは始まった。局部麻酔なので声は聞こえている。一番聞きたくなかった言葉は「そこ!!そこに手を突っ込んで!!」だった。自分の体に手が突っ込まれるのを想像してしまい、吐き気がした。

3時間ほどだっただろうか。手術は無事終了。

睡眠薬も飲んでいたため、その後の家族との会話は全く覚えていない。

次回へと続く・・・。